週刊 あそこで聴いたクラシック

2009年2月10日 (火)

vol.03 フィンランド、第2の国歌「フィンランディア」を聴く

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「シベリウス:交響詩「フィンランディア」(演奏:アイスランド交響楽団 指揮:ペトリ・サカリ)」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

北欧と聞いて、たいていの方はフィンランドを連想するのではないでしょうか。サウナ、キシリトールなどは有名です。音楽もポップス、ジャズ、ロックなど幅広いジャンルで、フィンランド出身のアーティストが活動しています。

クラシック音楽の世界で、フィンランドの作曲家と言えば、真っ先に思い浮かぶシベリウス(1865-1957)(おそらくこの人くらいしか有名でないです)。

世界的な作曲家であり、フィンランドの国民的英雄でもあるシベリウスは、91歳という長寿を全うした人物ですが、60歳を過ぎてからはほとんど作品を発表しなくなりました。7曲の交響曲をはじめ、劇音楽、声楽曲と膨大な量の作品を残していますが、その中でも良く知られているのが「フィンランディア」です。

この作品の中間部が特に有名で、フィンランド第2の国歌とまで言われるほど国民に愛されています。日本の演奏会される機会は多く、映画「ダイ・ハード2」でも全編にわたって流れていたので、ご存知の方も多いかもしれません。普段は管弦楽のみで演奏される機会が多いのですが、この中間部をシベリウス自身が合唱用に編曲したものもあります。シベリウスを最初に聴くならこの作品をお勧めします。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソス・ミュージック・ライブラリーの会員ならば、各トラックをノーカットでお聴き頂けます。)

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シベリウス:交響曲第2番/劇音楽「テンペスト」第1組曲(演奏:アイスランド交響楽団 指揮:ペトリ・サカリ)

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シベリウス:フィンランディア賛歌(演奏:タピオラ児童合唱団)

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2009年1月10日 (土)

vol.02 秋と言えば芸術の秋。美術館でも行きませんか?

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」 ピアノ編/ラヴェルによる管弦楽編」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

夏の猛暑が過ぎ、ようやくすごしやすくなる季節、秋。食欲の秋、スポーツの秋などいろいろありますが、ここはひとつ大人の趣味、芸術の秋ということで、ゆっくり絵画でも見てみましょう。

クラシック作品の中でも良く知られているロシアの作曲家ムソルグスキー(1839-1881)の「展覧会の絵」。友人の展覧会を訪れた際に、印象に残った10枚の絵からインスピレーションを受け、作曲された作品です。

プロムナードという前奏曲で始まり、この同じメロディが曲の合間に挟まれているのが特徴的です。この曲はムソルグスキー自身が歩く姿を表現したものだそうです。各曲には「古城」、「雛の踊り」、「バーバ・ヤガーの小屋」、「キエフの大門」など覚えやすいメロディが散りばめられており、絵画一枚一枚が目に浮かぶような見事な音の描写は、まさに芸術です。

この「展覧会の絵」、オリジナルはピアノ曲でいろいろな編曲があるのですが、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875-1937)が管弦楽用に編曲したものが非常に親しまれています。この巧みな編曲は、あたかもこれがオリジナルのような錯覚を与えます。トランペットのソロで始まるあのメロディ、実際耳にするのはこのラヴェル編曲版が多いのではないでしょうか。ご紹介しているアルバムにはオリジナルと管弦楽版の両方が収録されています。

ムソルグスキーを聴きながら美術館巡りというのも乙な趣味ですね。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソス・ミュージック・ライブラリーの会員ならば、各トラックをノーカットでお聴き頂けます。)

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ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(編集:スラットキン)(演奏:ナッシュヴィル交響合唱団、ナッシュヴィル交響楽団 指揮:レナード・スラットキン)

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ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(編曲:ストコフスキー)(演奏:BBCフィルハーモニー管弦楽団 指揮:マティアス・バーメルト)

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ムソルグスキー:展覧会の絵(アコーディオン三重奏編)(演奏:トリオ・フラトレス)

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ムソルグスキー:展覧会の絵(トロンボーン編)(トロンボーン:クリスティアン・リンドベルイ ピアノ:ローランド・ペンティネン)

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2009年1月 1日 (木)

vol.12 An die Freude ! (歓喜に寄せて)」 - これを聴かなきゃ年越しはできない!

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(演奏:ミネソタ管弦楽団 指揮:オスモ・ヴァンスカ)」のページが開きます。全トラック冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

年末の風物詩として、知らない人はいないドイツの大作曲家ベートーヴェン(1770-1827)の「第九」。毎年12月に入ると日本中いたるところで演奏会が開かれます。やっていない日はないのでは?というくらい多いです。

「第九」の日本初演は1918年。今年2008年は初演後90年という記念年なのです。2006年に公開された映画「バルトの楽園」は、当時のエピソードに基づいて作成されました。

1960年ころから年末に演奏されることが多くなったようですが、ドイツでは大晦日に演奏するという習慣があり、それを取り入れたのが始まりだそうです。「第九」という呼び方はもちろん日本だけ。「家路」のオリジナルとしても知られる、ドヴォルザーク(1841-1904)の「新世界より」(余談ですが、第4楽章の冒頭は映画「ジョーズ」のテーマにそっくりです)など、有名な交響曲第9番は他にあるにもかかわらず、ベートーヴェンの曲がすぐに結びつくところは、いかに日本人に親しまれているかが分かります。

ご紹介するヴァンスカ盤は、早めのテンポで、快調に進行する演奏。クライマックスの「歓喜の歌」も高らかに合唱が鳴り響きます。彼はフィンランド出身で、北欧の爽やかな香りが漂い、それでいて熱のこもった演奏を披露してくれます。重すぎず、軽すぎず、心地よく聴けるオススメの一枚です。

巨匠指揮者フルトヴェングラーは、この第九を何度も録音しており、ベスト盤としてしばしば取り上げられます。ヴァンスカ盤とは違った、迫真の演奏が、ドイツ魂を感じさせます。

第九を聴かなきゃ!というのは、日本人の性でしょうか。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(演奏:バイロイト祝祭管弦楽団 指揮:ウィルヘルム・フルトヴェングラー)(1951)
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ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 Op. 95 (演奏:スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:スティーヴン・ガンゼンハウザー)

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vol.11 天上に響く極上のハーモニー、ア・カペラの魅力

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「アレグリ:ミゼレーレ(演奏:タリス・スコラーズ)」のページが開きます。全トラック冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

クラシック音楽というと、バッハ、ベートーヴェン、モーツァルト、ブラームス、ショパン・・・と超有名どころの作曲家がまず思い浮かぶと思います。それもほとんどが器楽曲。映画やCMなどで使われるのが、オーケストラ曲やピアノ曲が多いので当然と言えば当然ですが。

そこで、一歩踏み入れて声楽曲を聴いてみてはいかがでしょう?とはいっても声楽曲にも独唱、合唱、オペラなど無数のようにあるので、どこから入ったら良いのか迷うところです。

ご紹介するのは、イタリア・ルネッサンス後期の作曲家グレゴリオ・アレグリ(1582-1652)という人物が書いた「ミゼレーレ」。

無伴奏による合唱曲で、澄みきった心洗われるハーモニーが印象的です・思わず祈りを捧げてしまいそうな感覚になります。この曲には逸話があり、14歳のモーツァルトが、一度聴いただけですべての音を忠実に楽譜に再現したというエピソードが良く知られています。これによってアレグリの名が広まりました。また1981年公開の映画「炎のランナー」でも使用され、国際的に知られるようになりました。現在でもイタリアのシスティーナ礼拝堂の聖務週間で定期的に歌われている伝統ある曲です。

いきなりオペラは重すぎる、かといって独唱じゃ物足りないというのなら、オススメの1曲。合唱の魅力も味わえて気分も安らぐ、一石二鳥です。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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モーツァルト:レクイエム/アヴェ・ヴェルム・コルプス(演奏:セント・クレメンティ・コンサート 指揮:ランドール・スワンソン)
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オペラ A to Z

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vol.10 これ一枚で春夏秋冬、一年中楽しめる。超有名曲!

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」(ヴァイオリン:フェリックス・アーヨ 演奏:イ・ムジチ合奏団)」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

いかにも春の訪れを告げるような、爽やかな雰囲気で始まるヴィヴァルディ(1678-1741)の「四季」。

全4曲からなる協奏曲集で、春の小鳥のさえずり、夏の嵐、秋の収穫、冬の凍てつく寒さ、など春夏秋冬を見事に描写した名作です。そのような様々な表情を持っている作品なのでBGM、CM、映画とあらゆる場面で使用されており、特に映画に関しては50以上の作品で用いられているのほどの人気曲。「ヴィヴァルディ」=「四季」という方程式が成り立つくらい親しまれています。

ご紹介する演奏は、この「四季」ブームの火付け役である「イ・ムジチ合奏団」のアルバムです。この団体はソリストを代え何度か録音していますが、初代ソリストであるフェリックス・アーヨ盤がレコード史上最も有名な演奏でありイ・ムジチ合奏団の代表的名盤となっています。均整のとれたスタンダードな演奏で、聴きやすさは抜群です。

近年リリースされている録音は、アグレッシヴで個性的な演奏が多いのですが、「イ・ムジチ」のオーソドックスな演奏は気分も落ち着きます。季節の節目に聴くのも、気分転換に良いのではないでしょうか。

(*この音源はモノラル録音ですが、歴史的価値の高い名盤であるため、敢えてご紹介させていただきました)

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」(ヴァイオリン:ジュリアーノ・カルミニョーラ 演奏:ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ)

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vol.09 誰もが憧れる宇宙旅行、その夢はここから始まった。

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」/ホルスト:組曲「惑星」(オルガン:マーシャル 演奏:ダラス交響楽団 指揮:リットン)」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

冒頭のトランペットによるファンファーレ。一度聴いたら耳から離れないメロディと迫力のサウンド。

1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅」のオープニングで効果的に使われたのはドイツのリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)作曲の交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」です。

この作品はドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの後期思想を代表する著作にインスピレーションを受けて書かれたものですが、この映画に使われたことによって、「宇宙の音楽」というイメージが強くなっています。使われていたのは冒頭だけなのですが、実際には30分に及ぶ大作で、全曲を聴き通してみると冒頭だけでなく、曲全体が宇宙を彷彿とさせるファンタジーに溢れています。

この映画には他にヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)の「美しく青きドナウ」、ハチャトゥリアン(1903-1978)の「ガイーヌ」、リゲティ(1923-2006)の「レクイエム」などの音楽が使われています。このアルバムにはうれしいことに、宇宙そのものにインスピレーションを受け作曲された、ホルストの「惑星」がカップリングされています。一緒に聞けば、宇宙の中に入り浸りです。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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ヨハン・シュトラウス2世:美しく青きドナウ(演奏:ウィーン交響楽団 指揮:ヤコフ・クライツベルク)
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ハチャトゥリアン:ガイーヌ(演奏:サンクトペテルブルグ交響楽団 指揮:アンドレイ・アニハーノフ)
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リゲティ:レクイエム(演奏:バイエルン放送合唱団、フランクフルト放送交響楽団 指揮:ミヒャエル・ギーレン)

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vol.08 ゴジラ登場!

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「伊福部昭:SF交響ファンタジー第1番(演奏:ロシア・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ドミートリー・ヤブロンスキー)」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

あのどっしりとした足踏みで次々と街を破壊し、日本中を恐怖に陥れた体長50メートルの巨大な怪獣。

1954年、ビキニ湾の核実験によっておきた第5福竜丸事件をきっかけに作成された、日本の特撮怪獣映画の代表「ゴジラ」。第1作から半世紀以上経っていますが、これまでに30近いシリーズが公開されており、ゲームにもなっているほどの人気作品です。

あの巨大なキャラも印象的ですが、なんといってもあの低音がズシズシ響く、ゴジラ登場のテーマ曲が耳に残っていると思います。この印象的な音楽を作曲したのは、日本音楽界の重鎮、伊福部昭(1914-2006)。曲調はシンプルで民族的なものが多く、とても耳に残りやすい作品を多く残しています。彼はオスティナートと呼ばれる、リズムを反復させる形式にこだわりを持っており、その特徴が顕著に表れているのが、このゴジラのテーマ曲「SF交響ファンタジー第1番」。重い足踏みを表現した低音が曲全体を通して鳴っています。このしつこいようなリズムが何とも言えず、頭の片隅でなんとなく響いてしまいます。オスティナートという言葉が「しつこい、執拗な」という意味を持っているのにも納得できます。

子供のころに思い描いていたSFの世界が、走馬灯のように蘇ってきます。日本の街を破壊していても、ゴジラはみんなのヒーローなのです。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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伊福部昭:交響譚詩(演奏:マルメ交響楽団/指揮:広上淳一)

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vol.07 街角、CM、テレビ・・・日常で知らずしらずのうちに耳に入ってくるあのメロディ

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「「静寂」-静寂のクラシック名曲集」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

曲名は知らなくてもなんとなく頭に残って、無意識に口ずさんでしまうあの曲。お店のBGM、CM、ドラマの挿入曲・・・とたくさんのメディアで使用されているクラシックの名曲の数は人知れず。

ここでご紹介するアルバムには、ゆったりとした、心地よい雰囲気の珠玉の名曲がたくさん詰まっています。タイトル通り、日々の喧騒から逃れ、癒やしのひと時を過ごすのに最適な一枚です。

パッヘルベル(1653-1706)のカノン、J.S. バッハ(1685-1750)の「G線上のアリア」などは使用される回数も多く、ほとんどの人が聞いたことがあるでしょう。カノンは「鬼火」、「ジェラシー」、「ストラディヴァリ」、「沈黙のジェラシー」など外国映画にも頻繁に使われていました。

それ以外にも、マスネ(1842-1912)の「タイスの瞑想曲」、ボッケリーニ(1743-1805)の「メヌエット」、サン=サーンス(1835-1921)の「白鳥」、ラフマニノフ(1873-1943)の「ヴァカリーズ」など、ふと耳にしている作品が多数収録されています。昨今では、CM やカバー曲としていろいろな形にアレンジされているので、違った雰囲気でメロディが印象に残っているかもしれません。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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パッヘルベル:オルガン作品集(オルガン:ヴォルフガング・リュプザム)

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vol.06 運動会、フィギュア、新体操・・・巷で大人気!

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「ハチャトゥリアン:ガイーヌ - 剣の舞/仮面舞踏会 - ワルツ」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

あの急かすようなノリの良いテンポ、聴くだけで興奮してしまう派手な音楽。

アルメニアの作曲家ハチャトゥリアン(1903-1978)が書いた「剣の舞」は、秋の風物詩である運動会の昔ながらの定番BGM(他に有名な曲としてはカバレフスキーの「道化師」があります)として、最近では新体操五輪日本代表「フェアリー・ジャパン」などが使用する等、耳にする機会が多くなってきました。中学、高校などで吹奏楽を経験した方には、顔を赤くして息切れしながら演奏した懐かしいレパートリーなのではないでしょうか。

この曲はジャズ、ロック、ヘヴィメタル、パンクなどさまざまなジャンルのアーティストがカバーするなど、クラシックの域を超えた人気を誇っています。余談ですが、アメリカのプロホッケー・チーム、バッファロー・セイバーズは、「剣の舞」をチームのテーマ曲としているそうです。

もうひとつの仮面舞踏会の「ワルツ」は、フィギュア・スケートの女王浅田真央が、シーズン・プログラムで使用する作品として話題になっています。キリンビール「円熟」のCMでも使用されており、これまた良く耳にする曲です。重苦しい雰囲気で始まる意味深な音楽ですが、一度聴いたらその旋律は頭から離れません。

おまけといってはなんですが、仮面舞踏会の最後の曲「ギャロップ」は、「ワルツ」とは正反対の気分も晴れるノリの良い作品。これも運動会にはぴったりですね。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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カバレフスキー:「道化師」 - ギャロップ(演奏:モスクワ交響楽団 指揮:イェルヴァコフ)

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vol.05 「魅惑」のメロディ、天才が残した最高傑作。

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(画像をクリックすると、ナクソス・ミュージック・ライブラリーの「クラリネット協奏曲 イ長調/クラリネット五重奏曲 イ長調(クラリネット:シフリン)」のページが開きます。全トラックを冒頭30秒のみ無料で試聴できます。)

天才モーツァルト(1756-1791)が残した生涯最後の協奏曲にして、不滅の名作である「クラリネット協奏曲」。

亡くなるわずか2か月前に作曲された作品で、自らの死期を悟ったかのような澄み切った調べは、クラリネットの甘美な音色とともに、彼の音楽の真髄が滲み出ているかのようです。彼の白鳥の歌のようにも聞こえます。実際にモーツァルトは、すでに病魔に冒されていました。

名ジャズ・クラリネット奏者、ベニー・グッドマンの半生を描いた映画「ベニー・グッドマン物語」でも全楽章が使用されていたので、そこでこの曲を聴いた方もいるのではないでしょうか。

クラリネットは高音と低音で音の膨らみが違い、高音になるほど細く明るい感じの音となり、低音になるほど太く暗い感じのする楽器で、モーツァルトはこの特性を余すことなく引き出し、この名作を残しました。クラリネットの音の魅力を実感するのにこれほど最適な作品はないでしょう。

モーツァルトはこのクラリネットという楽器をこよなく愛していました。 協奏曲ともう一つクラリネット五重奏曲という名曲を残しており、協奏曲と並ぶ人気を誇っています。しかしながら、クラリネットのための作品はこの2つのみなのです。理由はわかっていませんが、それだけにこの2作品には、モーツァルトが思い描いたクラリネットの最高の形を垣間見ることができます。

聴くほどに魅了される感情的な旋律は、心も安らぎます。

文:yasu(ナクソス・ジャパン)

【参考音源】(ナクソスの会員でない場合は、各トラックの冒頭30秒のみ試聴できます。)

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ベニー・グッドマン:シング・ミー・ア・スィング・ソング (1935-1936)

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