こんにちは。NMLのFishandChickenです。
1月23日の土曜日、タワーレコード渋谷店のインストアイベントに、来日中のオールソップ女史が出演されました。
前日22日(金)のサントリーホールでの読響との公演(バーバーの交響曲第1番と、マーラーの交響曲第1番)は、ステレオタイプな「女性的」なイメージを吹き飛ばすような彫りの深い、それでいて爽やかさも持ち合わせた、まさに「快演」と呼ぶにふさわしい演奏で、聴衆を大熱狂の渦に巻き込みました。前半が終わった時点で、バーバーのCDが飛ぶように売れ、終演後のサイン会には80人近くの方に並んでいただいたことからも、いかに聴衆の方が喜ばれたかわかろうというものです。
サミュエル・バーバー (1910-1981)は、映画「プラトーン」にも使われた「弦楽のためのアダージョ」で圧倒的に有名な作曲家で、彼のシンフォニーをほとんどの方が今回初めて聴いたのではないかと思いますが、女史は、ナクソスにバーバーの作品集をCD6枚にわたって録音するほどバーバーに対する愛着を抱いており(当日は暗譜での指揮でした!)、その思い入れが客席にも伝わったと思います。
そんな熱が冷めやらないうちの、翌日のイベントです。
お疲れのところ申し訳ないなあと思いつつ、滞在先の都内某ホテルにマエストラをお迎えに。
道中、これまでにタワレコのイベントに出演した有名アーティストの名前を挙げ、アンドレ・プレヴィンが昨秋出た、というと、「彼はまだ元気か?」としきりに気にされているようでした。(※彼は現在81歳で、昨年N響を指揮するために来日しました。)
さほどの渋滞にも巻き込まれずに無事タワーレコードに到着し、6Fのクラシック売り場に
お通しすると、店内を見渡して一言、
"Fantastic!!"
クラシックだけでこれほどの売場面積を誇るお店は、欧米でもレアなのでしょう。
すぐさま店内を歩き出したマエストラに、
「休憩室で休まれますか?」と伺っても、
「見て回っているからいいわ」と。
そうしているうちに、司会進行の方と通訳の方が到着しましたが、挨拶もそこそこに、「続きを見るわ」といってまた売り場に戻って行かれ、結局、イベントが始まる段になってスタッフが手招きをし、売り場から直接登壇していただく格好となりました(笑)。
イベントでは、9歳の時にバーンスタインの指揮に接して指揮者を志したという生い立ちの話から、ジャズへの愛着(スウィング・ジャズのバンドを組んで演奏までしていたそうです)、そして近日発売予定のジョン・アダムズの「中国のニクソン」や、現在グラミー賞候補にもなっているバーンスタインの「ミサ曲」の録音について(いずれも「古典」となるべき素晴らしい作品との評価)、女性指揮者の今後について(この20年で女性の各方面への進出はめざましく、明るい希望を持っているとのこと)など、多方面に渡りました。
終了後は恒例のサイン会。
多くの方に並んでいただき、大変に有難うございました。
トークショーの様子
快くサインに応じるマエストラ
その後は、司会進行を務められた音楽ライターの片桐卓也氏が執筆されている雑誌「CDジャーナル」の記事向けのインタビュー。記事は「CDジャーナル」3月号(2月20日発売予定)に掲載されますので、お楽しみに!
帰り、マエストラをホテルまでお送りするべく、タクシーを走らせると、「新宿の高島屋で降ろしてほしい。あとは自分で帰るから」とのことで、急きょ行き先を変更。
国立競技場や明治神宮の前を観光案内をしつつ通り過ぎ、JR原宿駅前に差し掛かると、誰か有名人が通るのか、歩道にものすごい人だかり。マエストラが「Crazy!」と叫ぶと、タクシーの運転手さんも笑っておりました。
高島屋の前でタクシーを降り、握手をしたマエストラの手はマシュマロのような柔らかさ!
今日のイベントと往復の移動が、慌ただしい日程の中のマエストラ気分転換になっていたらいいなと思いつつ、お別れをしました。
マエストラの日程は、残るは26日(火)の東京芸術劇場、27日(水)のサントリーホールの2公演で、曲はいずれもモーツァルトとブラームスです。
前回より有名曲で、お客さんも多く来ると思いますから、良い席が欲しい方はチケットを即ゲットしましょう!
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