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2013年11月13日 (水)

フィギュアスケートで使われる「ジャズ」について

「そういえば」

    ( ゚д゚) ガタッ
   /    ヾ
__L|  / ̄ ̄ ̄/_
   \/     /

グランプリシリーズも佳境を迎え、もうなんと第5戦のフランス杯が目前。
いやはや時が経つのは早いものですね。あんなに楽しみにしていたのに。いや今も超絶楽しいけど。
この調子で三角帽子に鼻先を赤く塗り、ぼんぼりに灯りをつけることになるのでしょうか(日本人)

…なにを悠長な。
スケオタたるものそんな穏やかな年末が過ごせるとお思いですか(キリッ

GPシリーズは第5戦(パリ)、第6戦(ロシア)、そしてファイナルと続き、
最後にソチ五輪代表の選考基準の要となる「第82回全日本フィギュアスケート選手権大会」が開催予定。

この全日本選手権は、ソチを目指す選手であれば必ず参加しなければならない試合。
言うなればここでソチへの代表選手が確定するのです!

その前には村上大介選手やデニス・テン選手が出場する「メラーノ杯(イタリア)」。
そして安藤選手が参加予定としている「ゴールデン・スピン(クロアチア/ザグレブ)」も行われる超本気モード。

こんな凄まじい状況下に顔真っ赤にして酔っぱらっている場合でしょうか。
否、そんな時こそ演技のおさらいをするというもの(超真面目)

さあ、ご好評いただいている「フィギュアスケートで使われる〇〇」も本日で終わり。

最終回のテーマは「ジャズ」です。

今回は楽曲の解説とちょっぴり歌詞についてもふれたいと思います。

*.....*.....*.....*

(曲名アルファベット順)

【Bei mir bist du schon(素敵なあなた)】
作詞:Jacob Jacobs / Sammy Cahn and Saul Chaplin 作曲:Sholom Secunda

「素敵なあなた、どうか説明させて。あなたに夢中でいいなりだっていうことを」

《素敵なあなた》で訳される〈Bei mir bist du schon〉はドイツ語に似ていますが、実はイディッシュ語。 イディッシュ語は、ヘブライ語、ドイツ語、スラブ語などが混ざった原語で、英語圏に住むユダヤ系ドイツ人に使われる言葉だという。 1937年に書かれた英語の歌詞をアンドリュー・シスターズが歌い、ミリオン・セラーを記録した

★今シーズンこの作品を選んだ選手
エレーナ・イリニフ&
ニキータ・カツァラポフ
(ロシア)/ショートダンス
※なんともまあグレート・ギャツビーな世界観のお二人。さながらかつてのフィッツジェラルドとゼルダのよう。イリニフちゃんのお衣装ときたら可愛いすぎて!のっけからノリノリなスタンダードなジャズナンバーで滑るフィンステップ。まるで恋人同士がお互いの存在とダンスに夢中になっている姿を彷彿とさせます。

*.....*.....*.....*

【But not for me(わたしのためじゃない)】
作詞:Ira Gershwin 作曲:George Gershwin

「恋について歌ったうたはたくさんあるけれど、わたしのためにじゃない。空には幸運の星が輝いている。でもそれはわたしの星じゃない。あのひとのキスの味が忘れられない。けれど、あのひともわたしのものじゃない。あのひとが家を建てるとしたって、それはわたしのためじゃない」

1930年にガーシュウィン兄弟がミュージカル「ガール・クレイジー」のために書いた、切ない失恋ソング。

★今シーズンこの作品を選んだ選手
ケヴィン・レイノルズ(カナダ)/エキシビション
※ご存じ今年のTHE ICE 2013で披露されたEXはアニメ「坂道のアポロン」より。通称‟祭りジャズ”と呼ばれるこの曲の原曲はガーシュウィン兄弟による「バット・ノット・フォー・ミー」です。白いシャツの制服姿で登場したケヴィンくんは、途中でピアノを弾く仕草も見せてくれます。これはアニメに登場する西見薫(ボン)を表現しているのかな、と思ってみたり。ちなみにこのEXの曲は、アニメの中で友人の千太郎と一緒にセッションしているの時の曲です。

*.....*.....*.....*

【Cheek to Cheek(頬よせて)】
作詞:Irving Berlin 作曲:Irving Berlin

「まるで天国にいるみたいだ。どきどきして言葉がうまく出ない。捜し求めていた幸せが見つかったから。ふたりが頬と頬をくっつけて願っている」

ダンスの神様フレッド・アステアの代表作映画「トップ・ハット」挿入歌用の陽気なラヴ・ソング。恋する男の天にも昇る高揚感を歌ったこのナンバーは、ショパンの〈英雄ポロネーズ〉が下敷きになったと言われています。

【Dream A Little Dream Of Me(私を夢みて)】
作詞:Gus kahn 作曲:Fabian Andre / Wibur Schwandt

「空には輝く星。夜空はアイ・ラヴ・ユーと囁く。すずかけの木々でさえずるように歌う小鳥たち。少しでもいいからわたしの夢を見てほしい」

1931年に書かれた軽快な雰囲気のナンバー。エラ・フィッツジェラルドの十八番としても知られる古きよき時代のスイング・ソング。

★今シーズンこの作品を選んだ選手
テッサ・ヴァーチュ&スコット・モイア(カナダ)/ショートダンス
※いわずもがなこれはもうテサモエの世界観。二人の美しい鼻と鼻…ちがった、頬と頬をよせ合うなんて十八番やないの!「チーク・トゥ・チーク」が恋する男性ならば、「ドリーム・ア・リトル~」は恋する女性。二人の想いが通じたのかなあという、ラブラブ・プログラム。

*.....*.....*.....*

【Fly Me To The Moon(わたしを月まで連れてって)】
作詞:Bart Howard 作曲:Bart Howard

「わたしを月まで飛ばして。星々の間で遊ばせて。木星や火星の春がどんな風になっているのか、見せてほしい。それは、いい換えればわたしの手を握ってほしいってことよ。そしてキスしてほしいっていうことなの」

1962年にピアニストのジョー・ハーネルが曲のタイトルを変え、ボサノヴァ調のアレンジで演奏したのがヒットのきっかけになった。
「月まで飛ばして」とは“愛を告白する”比喩。ご他聞に漏れず、熱烈なラヴ・ソングである。

★今シーズンこの作品を選んだ選手
ジェイソン・ブラウン(アメリカ)/エキシビション
※最近はすっかりM.C.ハマーがお気に入りのようで、なかなかお目にかかれないこのEX。帽子とサスペンダーを召されたジェイソンくんはやわらかな物腰でこう言います、「わたしを月まで連れてって」。まるで乙女にお願いされているような錯覚。だってあのしなやかさ、笑顔、そして下げ髪。もうキュンキュンが止まらない。

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【The Man I Love(私の彼氏)】
作詞:Ira Gershwin 作曲:George Gershwin

「そのうち彼氏が現れる。彼は大きくて強いひと。そんなひとが現れたら、彼がどこにも行かないように、わたしは一生懸命努力する」

ガーシュウィン兄弟による最高傑作にひとつ。発表当初はパッとしなかったがメロディのよさに加えて、まだ見ぬ恋人のことを思う歌詞が受けて、この曲は徐々にひとびとに浸透する。
その結果、数多くの映画やミュージカルで使われ、数年後にはガーシュウィンの傑作として認知されるまでになった。

★今シーズンこの作品を選んだ選手
長洲未来(アメリカ)/ショートプログラム
※今ではすっかりスタンダードなこの曲。これが未来ちゃんの今季ショートプログラム。曲調に合わせたゆったりと大きくかつ細やかな滑りは、まるで理想の男性を表現しつつも、そこに寄り添った自身の姿を重ね合わせているような、そんな女性の健気さも感じとれます。

*.....*.....*.....*

【Smile(スマイル)】
作詞:John Turne / Geofferey Parsons 作曲:Charles Chaplin

「笑おうよ。ハートが傷ついていたとしても、笑おうよ。ハートが破れても、空に雲があるのなら、恐れや悲しみを乗り越えて笑えるなら、何とかやっていける。笑おうよ。そうすればきっと太陽の輝く明日がやってくる」

喜劇王のチャップリンが映画「モダンタイムス」のため書き下ろした美しいメロディのバラード。

【What A Wonderful World(この素晴らしき世界)】
作詞:RobertThiele / George David Weiss 作曲:RobertThiele / George David Weiss

「わたしが見つめるのは、緑の木々や赤いバラが咲きほこっているところ。そしてしみじみと思う。世界は何て素晴らしいんだろうと」

世界中で愛された最高のエンターテイナー、ルイ・アームストロングが、生きていることの喜びを歌った永遠のベスト・セラー。

★今シーズンこの作品を選んだ選手
・浅田真央(日本)/エキシビション
※今シーズンで引退の真央ちゃんが選んだEXはこの2曲。ショパンのノクターンと鬼プロと言われるラフマニノフをこなした後に紡がれるエキシビションです。正直(個人的にですが)涙なくしては見れないプログラム。「スマイル」と「この素晴らしき世界」の内容からさらに涙腺が緩んでしまいます。今までの真央ちゃんの努力と成果と想いが伝わってきて、その圧倒的な説得力のもとただただ感動しています。最後の最後までファンを思う気持ち、心から敬意を表したいです。

*.....*.....*.....*

…(iДi)…


いかがでしたでしょうか…。
こうやって掘り下げてみると、曲もフィギュアスケートも共に奥が深いなと思います。

ナクソスはクラシック以外にも、過去の名演を復活したジャズ音源(1950年以前のものをコレクション)を収録した『Naxos Jazz Legends』や、ミュージカルやポップスなどをコレクションした『Naxos International』といったレーベルもございます。
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お楽しみに(o゚∀゚o)

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2013年11月 6日 (水)

フィギュアスケートで使われる「歌劇(オペラ)」について

みなさま、先週の三連休はいかがお過ごしでしたか。

「それを聞くのは野暮でしょ」というお声が聞こえてきそうですが、まさにその通り。
連休をフィギュアスケートに費やすのは至極まっとうな判断(一部の方に限る)。

しかしその後、睡眠不足などで無理がたたり角膜炎を患ってしまった私は、肝心の演技が見れないという最大の苦痛を味わうハメに(∈Д∈)
あらためてシーズン中の体調管理には気を付けようと思いました(何様)

さてそうは言ってもCoC(中国杯)と東日本選手権でアドレナリンが出っ放し。
今週はとうとうNHK杯で、GPFにあのゴールデンスピンが被るよ!などと話題はつきません。

ブログの方はと言いますと先週に引き続き、「フィギュアスケートで使われる〇〇」のご紹介をしたいと思います。
本日のテーマは「歌劇(オペラ」。
今回もあらすじだけでなく、選手の演技内容も一緒に考察してみました。

*.....*.....*.....*

【セヴィリャの理髪師】

(主な登場人物)
フィガロ …理髪師。町の何でも屋。
ロジーナ …お金持ちのお嬢様。学生のリンドーロに恋心を抱く。
バルトロ …医者でロジーナの後見人
アルマヴィーヴァ伯爵 …貧乏学生リンドーロに扮した伯爵。ロジーナを見初める。
バジリオ …音楽教師

(あらすじ)
18世紀スペインのセヴィリャ。プラードで見初めたロジーナを追いかけてやってきたアルマヴィーヴァ伯爵だが、彼女には後見人の医者バルトロがいて、しっかりとガードしている。困った伯爵は顔見知りの町の何でも屋で理髪師のフィガロに助力を頼み、隙を見て「私は貧しいリンドーロ、あなたを妻に迎えたい」と窓の下から歌ってロジーナに訴える。これを聞いてリンドーロとの結婚を心に誓うロジーナ。フィガロはさっそく伯爵に知恵を教える。まず酔っ払いの士官に変装してバルトロ家に入っていき、ロジーナに手紙をそっと渡す。また音楽の先生ドン・バジリオの代理に化けて行き、ロジーナと駆け落ちの約束を取りつける。夜中、伯爵とフィガロがロジーナを連れ出しにやってくるが、学生のリンドーロの正体が伯爵であることを知ったロジーナは、腹を立ててしまう。しかしその誤解もすぐに解け、バルトロ派のバジリオも寝返り、作戦は見事に成功する。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ(イタリア)/フリーダンス →ロジーナ(カッペちゃん) / 学生リンドーロ&アルマヴィーヴァ伯爵(ルカ)
※あれ?ルカはフィガロじゃないのと思うなかれ。このお話は「セヴィリヤの理髪師」で「フィガロの結婚」ではありません。ここに登場するフィガロはあくまでロジーナと伯爵の仲介人という役柄。
まず、演技開始前のポーズをご覧ください。ルカ君がカッペちゃんを見ています。これはロジーナへ思いをよせるリンドーロ(伯爵)そのもの。振付の中に何度かキスをする振付があるのも相手がリンドーロ(伯爵)だからこそ。最後にカッペちゃんがルカの背中を怒ってたたくシーンがありますが、これは学生のリンドーロの正体が伯爵であることを知ったロジーナが腹を立てたシーンを表現したのではないかなあと思いました。肝心の二人はすぐ仲直りし、見事カップル成立となるのでした。ちゃんちゃん。

*.....*.....*.....*

【サムソンとデリラ】

(主な登場人物)
サムソン …怪力を授けられたユダヤ人の青年
デリラ …ペリシテの美女
ダゴンの大祭司
アビメレク …ガザの太守

(あらすじ)
紀元前1150年、イスラエルのガザ。ペリシテ人に征服されたイスラエルの人々を力強く励ます若者サムソンは、自分たちをあざ笑う太守アビメレクを刺し殺す。しかしその後ダゴンの神殿から現れたデリラの美しさにサムソンは心奪われてしまう。一方サムソンに復讐を誓うデリラは「今日こそ私の虜にしてみせる」と意気込む。そこへやってきたサムソンはデリラの誘惑に心乱され、ついに「デリラ、愛している!」と叫んでしまう。デリラは「あなたの怪力の源を打ち明けて」と迫り、サムソンは拒否するも、結局デリラの家の中に入ってしまう。そこへ大祭司と兵士たちが押し寄せ、サムソンは怪力の源である髪の毛を切られ、盲目にされてしまう。挙句に神殿でのペリシテ人たちの祝宴に連れてこられ、大祭司から嘲りの言葉を投げかられる。神殿を支える巨大な2本の柱の間に立ったサムソンは「かつての力をお返しください。復讐を遂げさせてください」と神に祈り、全身の力で柱をゆすると、神殿は大音響とともに崩れ始める。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
高橋成美&木原龍一(日本)/ショートプログラム →デリラ(成ちゃん) / サムソン(木原くん)
※今季成龍がショートに選んだ曲は歌劇「サムソンとデリラ」より“あなたの声に私の心は開く”。
美しく着飾ったデリラが、誘惑に負けて自分の家を訪れたサムソンに愛を囁き、サムソンの誓いに喜んで歌うという、実に優美で官能的な内容の曲です。
ただしここで注目したいのは、デリラはサムソンを愛していないということ。そもそもお互い敵同士であることを考慮しながら、演技を見るとまた一味違ったプログラムに見えてくるかもしれません。

*.....*.....*.....*

【イーゴリ公】

(主な登場人物)
イーゴリ・スヴィアトスラヴィチ …イーゴリ公
ヤロスラヴナ …イーゴリ公の後妻
ガリツキー公 …ヤロスラヴナの弟
ウラジーミル・イーゴレヴィチ …先妻の息子
コンチャーク …ポーロヴェッツの汗
コンチャコヴナ …コンチャークの娘

(あらすじ)
12世紀のロシア。脅威を与えるポーロヴェッツ人討伐に、ノヴゴロドの領主イーゴリ公は出陣して敗れ、息子ヴラディミルとともにポーロヴェッツの長コンチャーク汗の捕虜となる。
一方、ノヴゴロドの留守を守る妻ヤロスラヴナの弟ガリツキー公は、権力をかさに酒池肉林に耽るうち、ポーロヴェッツが侵攻、街は戦火にさらされる。汗の娘コンチャコヴナを愛した息子を後に残し、手引きを得たイーゴリ公は脱出に成功して首都プーティヴリに戻り、妻を抱擁し民衆の歓呼を受ける。

(こぼれ話)
ボロディン唯一のオペラ作品として知られるも、実は未完成作品だった「イーゴリ公」。
これを完成させたのは、彼の友人のリムスキー=コルサコフとグラズノフでした。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
ベラ・バザロワ&ユーリ・ラリオノフ(ロシア)/フリープログラム →奴隷の女たち(バザロワちゃん) / イーゴリ公(ラリオノフさん)
※バザラリが使用している「だったん人の踊り」はポーロヴェッツ人討伐に出陣して敗れ捕虜となったイーゴリ公を慰めるために、コンチャーク汗が歌や奴隷の女たちの踊りでもてなしてあげるシーンの曲。イーゴリ公を慰める奴隷の女たち扮する健気なバザロワちゃんの舞に、心を打たれます…(ラリオノフさん心なしかもうれしそう)

*.....*.....*.....*

【蝙蝠(こうもり)】

(主な登場人物)
ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン …金持ちの地主
ロザリンデ …アイゼンシュタインの妻
フランク …刑務所長
オルロフスキー公爵 …ロシアの若い貴族
アルフレード …声楽教師
ファルケ博士 …アイゼンシュタインの友人、あだ名は‟こうもり博士”
アデーレ …ロザリンデの小間使い

(あらすじ)
舞踏会の帰途、友人アイゼンシュタインにこうもりの仮装で置き去りにされ、“こうもり博士”のあだ名がついたファルケ博士が、暴行事件で服役前のアイゼンシュタインをオルロフスキー公爵の舞踏会に誘い出し、復讐を遂げるというお話。夫人や小間使い、刑務所長、かつての恋人のオペラ歌手などが絡んで起すドタバタ物語。

(こぼれ話)
オペラ「こうもり」は、内容が大晦日の晩の話であることから、ウィーン・ミュンヘンの他のドイツ語圏では年末恒例の出し物となっています。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
西野友毬(日本)/フリープログラム →オルロフスキー公爵邸で開かれる舞踏会での仮装の人々
※序曲ということもあり、どの場面を演じているのか詳細はわからないが、恐らくこのオペラの舞台の中心となるオルロフスキー公爵のパーティー(舞踏会)を表現しているのではないかと推測。パーティー用の長手袋を着用しているのもポイント。

*.....*.....*.....*

【ウィリアム・テル】

(主な登場人物)
ウィリアム・テル …スイスの愛国者
エドヴィージュ …テルの妻
ジェレミー …テルの息子
アルノール・メルクタール …長老の息子。スイスの愛国者
長老メルクタール …アルノールの父。村の長老
ジェスレル …悪代官
王女マティルド …スイスを支配するハプスブルグ家の王女

(あらすじ)
13世紀オーストリア統治下のスイス、アルトドルフ村。「悪代官ジェスレルへの抵抗運動の中心になれ」とテルに説得された村の長老の息子アルノールは、敵ハプスブルグ家のマティルド姫と恋仲のため逡巡するが、父が殺されたと知って立ち上がる。統治記念日に無礼があったと息子ジェレミーを捕えられ、彼の頭上のりんごを射落とせば許すと、ジェスレルに挑発されたテルは首尾よく成功したが、隠し持った矢を発見され逮捕される。嵐で湖上の船から脱出したテルは、息子が手渡した弓矢で船上のジェスレルを射殺、アルノールたちも城を攻略してスイスに自由が戻る。

(こぼれ話)
38歳でオペラの作曲をやめたロッシーニ最後のオペラ。実はフランス語がオリジナル。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
織田信成(日本)/フリープログラム →ウィリアム・テル
※息子ジェレミーの頭上に置いたリンゴを射抜くという挿話で有名な「ウィリアム・テル」。この超有名シーンを振付でも取り入れている織田選手。最後のスピン(キャメル→キャノンボール→ブロークンレッグ→ショットガン)の後、まさに矢を射抜く動きを取り入れています(よく見ると射抜くときにパーンて叫んでるぅ!!)

*.....*.....*.....*

【トスカ】

(主な登場人物)
トスカ …歌姫(嫉妬深い)
カヴァラドッシ …画家でトスカの恋人
スカルピア …警視総監
アンジェロッティ …カヴァラドッシの旧友で政治犯

(あらすじ)
1800年ローマ。美貌の歌手トスカと愛し合う画家のカヴァラドッシは、脱獄してきた政治犯の友人アンジェロッティの逃亡に力を貸す。トスカに横恋慕するローマの警視総監スカルピアはチャンスとばかりに、アンジェロッティをかくまった疑いでカヴァラドッシを逮捕し、拷問にかける。その場に呼ばれたトスカは恋人のうめき声に耐えられず、アンジェロッティの隠れ場所を話してしまう。トスカと取り引きに入るスカルピア。恋人の命を助けたい一心のトスカは、身を任せる代わりに処刑は形だけ、それに外国渡航許可証を受け取る約束をスカルピアから取り付ける。そしてトスカはスカルピアが許可証を書いているすきにテーブルの上に置かれたナイフを取り、刺殺してしまう。トスカは処刑間近のカヴァラドッシに事情を話、すぐに外国に逃げようと話す。しかし形だけの処刑とは真っ赤なウソ、愕然とするトスカは「スカルピアめ…!」と叫んで、サンタンジェロ城の屋上から身を投げる。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)/フリープログラム →カヴァラドッシ
※今季プル様のフリープログラムは過去曲のメドレー。その中の一曲として発表されたのがこの「星は光りぬ」。これは夜明け前の聖アンジェロ城の屋上で、処刑の時を待つカヴァラドッシがトスカへの遺書を書き始め、愛の思い出を泣き伏しながら歌う、テノールの最も有名なアリア。

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【トリスタンとイゾルデ】

(主な登場人物)
イゾルデ …アイルランドの姫
トリスタン …コーンウォールの勇士
マルケ王 …トリスタンの伯父
ブランゲーネ …侍女

(あらすじ)
アイルランドのイゾルデ姫は、かつてコーンウォールの勇士トリスタンを婚約者を殺した敵と知りながら命を救い愛するが、トリスタンは伯父マルケ王の妃にイゾルデを推挙し迎えに来る。イゾルデは恨み、老王と愛のない生活を送るよりはと、毒薬をトリスタンに飲ませ、残りを自分が飲み干す。しかし侍女ブランゲーネが愛の妙薬に代えていただために、二人は抱き合い、愛に浸る。不倫を知った王が密会中に現れ、家臣の剣でトリスタンは瀕死の重傷を負い、居城へと運ばれる。イゾルデは城に赴くが、トリスタンは「イゾルデ!」の一言で息絶え、彼女も愛の法悦のうちに死ぬ。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
ジェフリー・バトル(カナダ)/フリープログラム →トリスタン
※今季新プロとして選んだ曲はイゾルデの「愛の死」。これは待女の告白で真相を知り、赦しに現れたマルケ王の見守る中、失神から目覚めたイゾルデが歌う官能的な愛の法悦。そんなプログラムを表現できる男性と言えば、ジェフしょ!
イゾルデの愛を受けとめ昇天する相手役トリスタンにまさしく適役な方だと思います。

*.....*.....*.....*

~おまけ(組曲)~
【ペールギュント】

(主な登場人物)
ペール・ギュント …夢見がちで怠慢な豪農の息子
オーセ …ペールの母
イングリット …ペールの元恋人
ソルヴェイグ …心清らかな美しい女性
魔王 …ドブレ国の魔王
緑の服をきた少女 …魔王の娘
トロル …魔王の手下
アニトラ …美しい踊り子

(あらすじ)
夢見がちな豪農の息子ペール・ギュントは、母オーセとの2人暮らし。ある日元恋人だったイングリットの結婚式が行われ、招待も受けていないのにやってきたペールは会場にいたひとり若くて清楚な女性ソルヴェイグにたちまち恋をする。しかし元恋人が結婚を嫌がっていることを知ると当人を連れて逃亡。しかし一夜明けると途端に飽きてひとり放浪の旅に出る。
旅の途中で山の魔王の娘と結婚させられそうになったペールだったが、ソルヴェイクと再会して心穏やかな日々を過ごす。しかしペールはまたも彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。
帰郷したペールは母を訪ねるが彼女は死の床に伏していた。母の死を看取るとペールは巨大な富を築きながら、美しい踊り子アニトラに騙され全財産を失うなどさまざまな冒険をする。遍歴を重ねすっかり年老いたペールは最期は故郷で過ごそうと帰国の途に着く。するとその途中、すっかり老いぼれた盲目のソルヴェイクと再会。彼女は白髪になってもペールを待ち続けたのだった。今までの自分のしてきたことを悔いるペール。そんな彼をソルヴェイクはやさしく包み込み、膝に抱いて子守唄を歌う。
深い愛情の中解き放たれたペールは、彼女の美しい歌声を聴きながらゆっくりと息を引き取る。

★今シーズンこの作品を選んだ選手は何を演じている?
ミハル・ブレジナ(チェコ)/ショートプログラム →ペールギュント
※ペールギュント(26曲)の中で今回ブレジナ選手が選んだ曲は「山の魔王の宮殿にて」。
これは山奥に迷いこんだペールが、魔王の国の娘を妻にしてドブレ王国を手に入れようと魔王の元へ向かい、突き付けられた結婚条件に血相を変えて、命からがら逃げ出すシーンの曲。最後のステップにもキック要素が入っていたりと、ペールがトロルや魔王たちから必死で逃げている感じ(!?)がうかがえます。
ちなみに魔王の出した結婚条件ですが、1つは「魔の国の飲み物を飲むこと」、2つは「尻尾をつけること」、3つめは「目玉をひっかき、傷をつけること」なんだとか。尻尾は見てみたい気が(駄)

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いかがでしたでしょうか。
今回はアイスダンスやペアの選手の使用曲もあり、二人で演じるということはその登場人物も増えるわけで、見方もずい分と変わってくるなあと思いました。

例え敵国同士の設定が多くても、人間関係を必要以上に複雑化しちゃっても、それでも大好きだよ、オペラ。

次回は「ジャズ」のご紹介です。どうぞお楽しみに!(o゚∀゚o)

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